ハナガサイタ

都内でひっそり暮らすゲイの日記です。

僕の10年

こんばんは。直です。

 

だんだん暖かい日が続くようになり、都内の桜は見頃を迎えましたね。僕も彼と2人でお花見をしてきました。木曜日は仕事終わりに待ち合わせをして千鳥ケ淵の夜桜。今日はお昼から錦糸公園に行ってきました。2人でゆっくり桜を見て、すっかり春の気分です。

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さて、明日は4月1日。新しい環境での生活が、スタートする方もいらっしゃるのだろうと思います。特に、新しく社会に出て仕事を始められる皆さん、新社会人おめでとうございます。毎年この時期になると、あちこちで各社の新入社員らしい若者を目にします。5~6年前までは、共感を持って見ていましたが、最近は共感より応援したくなる気持ちで見ています。この感覚の変化は、単純に彼らとの年齢差が開いてきているからなんでしょうね。僕は、今日で入社からまる10年が経ち、明日からは11年目に突入しす。10年のケジメに振り返りと、新しく社会に出る皆さんに向けたメッセージを書こうと思います。

ブログを読んでくれている方に当てはまる人がいないかもしれないし、むしろ人生の先輩方にとっては、10年ごときの小僧の戯言かもしれません。温かい目で読んで貰えるとありがたいです。

 

この10年は、本当にあっという間でした。ざっくり振り返るとこんな感じ。

 

卒論修論の分野と違う分野の配属先で、必死に勉強した1年目。

東日本大震災を経験した2年目。

震災の対応に追われながらも、初めて後輩ができた3年目。

今まで続けられている仕事のきっかけができた4年目。

初めて異動した5年目。

仕事で論文を書くぐらいになった6年目。

評価されて異動した7年目。

1年中、激務に追われた8年目。

子会社への出向辞令を貰った9年目。

鬼のような上司に、初めて褒めて貰えた10年目。

 

自分の中でキーになっていると思う年は、2年目、8年目、10年目です。

2年目。あの地震が良かったとは決して思いません。忌まわしくも忘れてはいけない記憶ですが、社会人になって若い間に経験できたことは自分の糧になっていると思います。責任、信頼、価値。その後の対応に追われる中で、言葉の意味と自分の言動を照らし合わせる日々は、自分を強くしてくれたと思います。

8年目。過労死レベルの残業が数ヶ月続いて、それ以外の月も本当に忙しかったです。でも、上司、先輩、同僚、仲間には、本当に恵まれていました。愚痴を言いながらも、飲みに行っては励まし合って、なんとか乗り切っちゃったんですよね。辛かったのは間違いないんですが、後から振り返ると人間関係の部分では楽しかったんだと思います。この職場を離れる時、忙しさから開放される嬉しさと、みんなと離れる寂しさでいっぱいでした。今も忙しい時は、あの時に比べれば大丈夫と思って乗り切っています。

10年目。その上司は、本当に怖いんです。でも、たまに優しいんです。直属の上司ではないんですが、技術も経験も社内では誰にも負けないまさにドンみたいな人で、4年目の仕事を与えてくれたのもこの人。僕と知り合ってからは腐れ縁みたいなもので、僕がどこにいようが仕事をふられます。そして、ことあるごとに厳しい指導を受けます。ありがたい時(ひどい時)は、3時間以上もマンツーマンで時間を割いていただいたこともありました。口調は厳しいし、無茶も言うので、一見ひどいんですが、こちらの味方になると本当に最後までフォローしてくれて、責任まで取ってくれる優しい人です。いつしか、この上司に全く関係のない仕事でも、この人だったらどう考えるか、この人がこの資料を見たら何て言うか、考えながら仕事をするようになっていました。

先日、そのに上司に褒められました。泣いてはいませんが、涙がでるほど嬉しかったです。伝えてもいないのに、僕が入社10年を迎えることを知っていて、声を掛けてもらいました。具体的に何を言われたかは秘密ですが、僕のことをすごくよく見てくれていたんだなと思います。素直に嬉しい気持ちと感謝の気持ちを伝えて、もう3時間は勘弁してくださいとお願いしときました。

こうして振り返ると、僕は周りの人に恵まれていたなと思います。困った時に助けてくれる人がいるって、素晴らしいことだと思います。明日からも、10年分の感謝を胸に頑張りたいと思います。

 

それでは、明日から社会に出る若者にメッセージを2つ。

 

1つめは、僕が入社した時の上司の受け売りです。

「素直な心、謙虚な姿勢、感謝の気持ち。この3つがあれば、どんな仕事でもできる」

一人でできる仕事の量やレベルは、必ず限りがあります。誰かの力を自分の力に変えることも立派な仕事のスキルです。誰かの力を借りる時に必要な心の持ちようを表しています。

ただ、社会に出て10年が経ち経験を積むことで、ようやくこの言葉の本当の意味が分かってきたように思います。裏の意味を取るんですね。この3つのうちどれか1つでも欠けると仕事はひとつも進みません。これは、新入社員に限った話ではありません。自分の無知を素直に受け入れる。謙虚に教えを乞い、丁寧に理解する。感謝を伝えることで次に繋げる。当たり前で簡単なようにも見えますが、10年経った今でも常にこの3つの気持ちを維持し続けることは容易じゃありません。知らないことを放置して目先の成果を優先することもありますし、経験を盾に畏怖の気持ちを忘れたりもします。後輩にはありがとうを言い忘れたり、振り返ると胸が痛みます。

若いうちは初めてのことであれば、分かりません、教えてくださいをいくら言っても許されます。教えて貰ったらありがとうございますと言いお礼をすれば、明日からの先輩もきっと味方になってくれると思います。

 

2つめは、10年間働いて感じていること。

「命を危険にさらす仕事からは、今すぐに逃げろ」

僕が入社した時、先輩にあるメモを渡されました。某社の鬼十則です。当時はピンと来ないものが多かったですが、今では10のうち多くが理解できます。でも、今でも1つだけどうしても理解できないのがこれ。

「取組んだら放すな!殺されても放すな!目的を完遂するまでは。。。」

冷たいことを言うようですが、社会は厳しさと辛さと理不尽に溢れています。程度を下げることは出来ますが、これらを完全に避けることは無理です。困難に直面してもやり遂げるという意味は分かりますが、命を差し出す必要は決してありません。誰かのサポートを得られるように、信頼できる人を1人でもいいので作ってください。それでも、どうしてもダメな時は、命の危険からはすぐに逃げてください。大丈夫、1人が抜けたぐらいで組織は潰れません。1人の社員が抜けたぐらいで潰れるような組織は、それこそ今すぐに逃げた方がいいです。

この10年の間に、先程の某社では悲しい事件がありました。あのような事件は、2度と起こしてはいけません。働くために生きるのか。生きるために働くのか。どうか自分の命を大切に、ブレない軸をもってください。

 

 僕の振り返りとメッセージはここまで。読んでくださってありがとうございます。拙いブログのお詫びと言ってはなんですが、プチ情報を1つ。

例年通りであれば、明日の新聞のどこかに素晴らしいメッセージが掲載されます。毎年、成人の日と4月1日に新成人や新社会人に向けたメッセージが、サントリーの広告として掲載しています。寄稿は、作家の伊集院静さん。毎回、素晴らしい内容なので、新社会人じゃなくても心に響きます。長くつづけていらっしゃるので、2012年までの分はまとめて本にもなっています

1回の量は今日のブログの100分の1ぐらいで、100万倍は深く面白いと思いますので、是非読んでみてください。

 

それでは、明日から社会人11年目を迎える僕をこれからもよろしくお願いします。