ハナガサイタ

都内でひっそり暮らすゲイの日記です。

僕と料理

こんばんは。直です。

今回は、ブログのテーマの1つでもある料理について書きます。

僕が料理や食べることが趣味と言えるほど好きになったのは、育った環境にあると思っています。

僕の初めての料理は、もう覚えていないぐらい小さい頃です。お母さんっ子だった僕は、台所に立つ母にいつもピッタリで、いつも邪魔をして困らせていたそうです。
そこで母は、僕に台所仕事のお手伝いをさせてみようと思いつきました。手伝わせてみると、僕はその作業をとても楽しんでやっていたので、それからは台所に僕を呼んで母が見ている中で何かさせていたらしいです。自分で覚えていないのがもったいないぐらい、微笑ましい光景だなぁって思います。

やがて小学校に上がった僕は、1人で包丁を使うことを許され、ガスを使うことを許され、ほぼ毎日台所のお手伝いをするようになりました。
その頃の母は家で仕事をしていたので、たまに様子を見ながら僕に料理を教えてくれました。米の研ぎ方、タネや皮から作る餃子、じゃがいもを茹でる所から始まるコロッケ、手でこねるハンバーグ。基本的な家庭料理は、この頃に一通り経験していると思います。

今はもちろん当時も、焼くだけ、揚げるだけ、もっと言うとレンジでチンするだけで食べられるような色んな食料品がありましたが、子供の頃そういうのを食べた記憶があまりありません。母は、「子供3人育てながらそんなこと毎日できる訳ない」と言っていたので、そういう便利なものももちろん使っていたんだと思いますが、自分で料理をしていた記憶が鮮明すぎて、全く覚えていません。


もう1つ、僕の育った場所は寒い地域にあるかなりの田舎です。田舎には、年中行事や、お寺や神社にまつわる宗教行事がたくさんあります。そして、僕はそうした行事や行事ごとに決まって出される料理が大好きです。お正月のお餅、お彼岸のおだんご、お盆の精進料理、お祭りに作るお煮染め。行事ごと、季節ごとに毎年同じものを作ってお供えして、地域と家族の平和を祈る。この文化はとても素晴らしいと思うし、東京に暮らす今はとても懐かしく思います。


こんな環境で育ってきたので、料理を作ること、食べることは、楽しくて神聖なことだという感覚が、僕には自然と染み付いてきたんだと思います。
もちろん都会での忙しい毎日に、便利なコンビニや牛丼屋さんを使わない訳ではないですが、食べることがお腹を満たす作業になっているような気がして、複雑な気分です。


「好きになった人と食事を楽しめると最高だな。そういう人を好きになりたいな。」
僕の小さい頃からの思い出には、どれも作った料理や旅行先で食べたものの印象が残っているので、ずっとそう思っていました。
彼と初めて会った時、美味しい魚を出してくれるお店で食事をしたんですが、まるまる出てきた捌く前の魚を見てはしゃいでる姿や、美味しいと言って笑う顔が楽しげで、すごく愛おしくなったのを覚えています。あぁこの人となら何処に行っても楽しくて、何を食べても美味しいんだろうなぁと思ったのでした。

出逢ってくれて、ありがとう。